属名の Menyanthes は、「表現する menyein」+「花
anthos」で総状花序が徐々に開くようすから付いたもので、種小名の
trifoliata は、「三葉の」の意味です。(図説 花と樹の大事典 植物文化研究会編 柏書房 1996 による)
氷河期の遺存植物として貴重であります。北半球の北緯35度から75度の範囲を、まるで地球に鉢巻きをしたような形で分布し、典型的な極地周辺植物と言われています。加賀地方の山地の池沼でしばしば大群落をなして生育しています。
3枚の小葉をカシワの葉に見立てて名付けたとされていますが、それほどカシワの葉に似ているとは思えません。しかし、家紋の「三柏」とは似た感じがします。
雌しべが長くて雄しべが短い花(長花柱花)と雌しべが短くて雄しべが長い花(短花柱花)があるということです。
日本の野生植物V(平凡社)によれば、結実するのは長花柱花の方だという。
このことについて週刊朝日百科 植物の世界には、「短花柱花では胚珠が成熟しない」と記載されています。
次の機会に、花を解剖して調べてみたいものです。
今回お示ししたのはすべて短花柱花です。
高校生の頃に医王山ではじめて見ましたが、そのころの図鑑では、リンドウ科に属していました。最近の文献では、ミツガシワ科に分類されています。
葉には苦味成分が含まれ、健胃薬として用いられるということです。 |