FILE22  イワタバコ











         
        
 東北地方以南に分布しますが、石川県では今のところ加賀地方でしか見つかっていません。山地の薄暗い湿った岩場に張り付き、タバコに似た葉をもつことから「岩煙草」と名付けられたと言われています。煙草の代用品にはなりませんが、若葉は生で食べられる山菜だとのことです。
 石川県では旧盆の頃に丁度満開の時期を迎えることが多いようです。樹林の下の湿気の多い岩壁で、この花に出会うと目の覚める清々しさです。
 栽培は、水の管理をしっかりすれば割に簡単らしいのですが、私は巧くできずに一度枯らしてしまいました。それ以後、採集はせずに、もっぱら写真だけです。
 しかし、撮影は意外と難しく、肉眼で見たときは緑色の葉なのですが、特に光に当たった葉が、黄色(金色)に写ってしまうのです。特殊な波長の光を反射しているせいなのでしょう。それを消すのは大変です。偏光フィルターを使うことによってかなりの改善を見ることができました。
 
 花は、5本の雄しべと1本の雌しべとからなりますが、雄しべの紫色の葯(やく:花粉を入れる袋状の部分)が合体して円錐形の塊となって雌しべの花柱を取り巻いています。
  
花模様